布団とズッ友

オタクの妄言です。よろしくお願いします。

ミュージカル 「キングアーサー」 感想

お世話になります。オタクです。今回は「キングアーサー」を観劇したので感想を綴りたいと思います。
元々は加藤和樹さんが観たくてチケット取りましたがまさかの予定が合わず伊礼彼方さんが出演される回に変更。きっと伊礼彼方さん推しの神が見ろと脅した激推ししたんだと思います。どちらも凄い人とテニミュに詳しいオタクに教えて貰ったのできっと凄いんだろうな!という小学生みたいな考えで当日を迎えるという。いつもの。初心者の感想だから正解の見方ではないかもしれない。

一応ネタバレ注意!

すっごい雑なあらすじ


主人公アーサー(役:浦井健治)(以下敬称略)がどこにでもいる青年から聖剣と共に偉大な王へと成長を遂げる物語。しかし成長していく中で様々な苦難が待ち受ける。アーサーに対して憎しみを抱く実の姉であるモルガン(役:安蘭けい)と王の座に座る為にアーサーを排除しようと企むメレアガン(wキャスト:伊礼彼方、加藤和樹)。さらにアーサーの妻グィネヴィア(wキャスト:宮澤佐江、小南満佑子)はランスロット(wキャスト:太田基裕、平間総一)と禁断の恋に落ちる。果たしてアーサーは立派な王となることは出来るのか。詳しくはアーサー王物語とか見るといいんじゃないかな。
※私が見た回のキャストは全て先に記述した方の役者となっています。

どうでもいい話
冗談とかでなくマジで道に迷い、駅を間違え、バスを乗り間違えかける方向音痴っぷりを発揮してなんとか会場にたどり着くという、始まる前から不安要素しかない。AIとか進化しても人間ダメな時はダメだと学んだ。しかしながら会場内は豪華でオペラとか見る時の会場だわ...と大興奮したので館内に入った頃には全て忘れていたと思う。それくらい館内は綺麗でした。凄い!金がある!
閑話休題


さて、本編が始まればあっという間に物語に引き込まれる程に面白い。恐らくだがこの作品はミュージカルというものが荘厳な雰囲気となんとなく思っていそうな人ほどお勧めしたくなる話だろう。名前の通り王道なストーリーであるにも関わらず、登場人物の人間らしさが良い味を出しており、さらにアーサーを王にすべく助け導く魔術師マーリン(役:石川禅)と血は繋がっていないがアーサーの兄のケイ(役:東山光明)のコミカルな掛け合いが作品にとって良いスパイスとなっている。この掛け合いがあったからざっくりあらすじで述べた現代でやったら蜂の巣にされるような美化された不倫のくだりも、なかなかに重い復讐もテンポよく見ることができた気がします。

えげつないイケメン達がめっちゃ凄い美声でオタクを大喜びさせてくる

なんて酷い題だろうか。小学生でももっとまともな書き方をするぞ。
キラキラと輝くピュアピュアな青年アーサーは衣装が豪華になっていけば行くほど王へと近づくが純粋無垢な感情は粉々にされていくという面白い仕様に。聖剣エクスカリバーを抜いた辺り(めっちゃ冒頭)が彼の精神面にとって一番良かった時期だよ。たぶん。テニミュで頭イカれたオタクだから全然知らなかったんですけど主演のアーサー役の方はミュージカル界のプリンスの一人らしいですね?そりゃ顔も良いし歌も上手い。アーサー王の物語なんてfgo でしか見たことの無いほぼミリしら状態ですが話が分かりやすいし面白かったです。なのでモードレッドに殺害されるまでの一生を描くのかと思っていましたが、違いましたね。それでも綺麗にまとめられていて違和感はあまりなかったです。さて、そんなピュアピュアアーサーが剣を抜いた瞬間にキレる(戦いの末に聖剣を抜く権利を得たが、聖剣は彼を選ばず抜くことができなかった事から王となる権利を失った為)メレアガン。そりゃそうだ。戦って一番になったから聖剣を抜く権利を得たのに抜けなかった。対してアーサーは戦う事なくマーリンに導かれ聖剣を引き抜く。ラノベか?これはキレて城だって占拠しちゃいますわ。剣を抜いた時点で民衆は大喜びする中、一人悔しげにアーサーを見つめる姿はオタク大喜びしちゃった。しかもその直後に再び頂点に立つと決意するメレアガンの歌上手すぎて情緒はめちゃめちゃにされる。う、上手すぎる……!伊礼彼方推しの神の策略にまんまとハマった。負けたよ……(?)高音低音を自由自在に操る歌声は素晴らしいの一言に限りますね。マジどこから声出てる???ってなる。うおー上手い!!!と注目していてれば次の場面(メレアガンが城を占拠)でアーサーとグィネヴィアの恋のダシに使われる不憫さ。強く生きて欲しい。2幕で盛大に死ぬけど。メレアガンは再び失墜。アーサーは美人な奥さんを娶りウハウハ状態。そのまま幸せにとはいかないのが物語である。結婚を前に実姉のモルガンが復讐をすべくやってくる。表向きは結婚をお祝いしてくれるがもう心の中ではアーサーを不幸にする事しか頭にない。しかしアーサーだけというのがポイントである。何故ならグィネヴィアの不倫は応援していたからだ。アーサーと幸せになるくらいなら他の男と幸せになって欲しいと考えるモルガンお姉さん。グィネヴィアは結婚する直前にやってきた顔が凄く良いランスロットと恋に落ちるが禁断の恋と心の中にしまっていた。なら結婚取り消して告れよ!!!!!!まだ間に合ったじゃん!!!!!!ねえ!!!!もうこの事実を知った時はニッコリしていた事でしょう。してた。余談ですがランスロットは物理的(衣装)にも白かったですがえげつないレベルにイケメンなので余計に輝いてました。なんだあのイケメン。しかし不倫はする。
めちゃくちゃになってきたのでここでアーサーに襲いかかった試練という名の不幸をまとめてみましょう。
・聖剣を引き抜いたら強くて野心マシマシの男(メレアガン)がキレて城を占領。討伐に行く羽目に。
・素敵な妻を見つけて人生最高!状態の時に不幸の谷底に突き落とす為に唯一血の繋がった実姉(モルガン)がやって来てお祭りムードを破壊される。
・結婚直前に騎士の誓いを立てるべくやってきた男(ランスロット)と結婚予定の妻(グィネヴィア)が不倫。しかも不倫の事実を知るのは命懸けで攫われた妻を取り返しに行く時。
・野心マシマシの男(メレアガン)、再び天下を取るべく返り咲き、妻(グィネヴィア)を攫った挙句、妻の不倫相手の男(ランスロット)を殺害。
・不倫を咎められた妻(グィネヴィア)、忠臣達の非難を聞き国外追放。
濃い。人生が濃すぎる。なんで???ってくらい濃い。しかもこの試練達を受けても民のためにという心の優しさはカンストせど、闇には堕ちない聖人ぶり。聖剣に選ばれただけありますね!正直みてる時あまりにも災難が続き過ぎて大喜びしちゃった。どの試練に対しても出来すぎた正義の味方の様に振る舞うのではなく、どのようにするのが正解であるのかと迷い、思い通りにいかないことに対して葛藤した姿を見せたからこそ、物語に厚みが出たように感じました。不幸エピソードばかり言及してしまいましたが円卓の騎士を結成し、国をより良くすべく尽力する姿にも注目してもらいたいですね。ただ、今回の話のメインは2幕クライマックスにて行われるアーサーvsメレアガンでしょう。一対一で闘う二人はめちゃかっこいいですね。より高みへと昇るアーサーに対して闇堕ちするメレアガン。メイクで悪人らしさに拍車が掛かっていてカッコいいです。目元からヒビのような黒い線が描かれています。人の道が外れかけている感じがたまらん。激闘の末メレアガンはアーサーに一度も勝つことなく死んでしまいますが、死に際の演技は必見ですね。最後まで王になる事を目指した彼のブレのない生き様がカッコよかったです。というかメレアガン役が歌が突出してうま過ぎてめちゃめちゃ目立ってしまっていたような気もします。いいのか……?今回のシナリオでは逆にそれがアーサーとの違いを対比として表現しているのでは?とも感じました。孤高のアーサーのライバルな訳ですからね。良いと思います。


どうしても語りたいアーサーの兄、ケイ

光属性で王道を征くアーサー、玉座に座るべく葛藤するメレアガン、美しくも禁断の恋に落ちるグィネヴィア、復讐を誓うモルガン、騎士としての忠義か禁断の恋かに揺れるランスロット。どの主要キャラも非常に魅力的ですね。ですが私は語りたい。この物語はケイが居たから私と物語の距離感を近づけてくれたのだと。知らん。他の人にとっては違うかもしれない。でも私の中ではそうだったんです。一番好きなキャラですね。闘うことが嫌いで冒頭の聖剣を抜く権利を争う戦いでも剣を忘れたと言って争いから逃げようとする、ある意味現代的なキャラだなあと思います。しかもアーサーが王となればなんとかして彼のそばにいて自身の安全を第一にしつつ弟を思っている(と思う)なんだか調子のいいキャラ。マーリンとコミカルな掛け合いをする姿は人々に笑いを誘います。そんな姿が良い塩梅で見ることができるので、こちらとしても見ていて飽きなかったです。女性達にうつつを抜かすシーンとかめっちゃ面白くて大好きですね。舞台というのは話している役者以外も身振り手振りで表現をするのでどのように楽しむかは自分次第というのが醍醐味だなあと改めて感じされられました。


とにかく面白かったので良かったら是非!